行雲いけばな教室

 

小学生からご年配の方迄、男女問わず、随時入学可!

当教室は初心者が気軽に始められる生け花教室です。

いけばな本来の形式美を大切にしながら、クリエイティブな造形を研究していきます。

 

平成27年10月 日本橋高島屋 第48回 日本いけばな芸術展 行雲出展作品 花材:オーガスタ リュウゼツラン 雲竜柳 ストレリチア

 

平成27年3月 目黒雅叙園百段階段 漁樵の間 行雲出展作品 花材:向天桑 アジサイ エリンジューム

 

平成26年4月 目黒雅叙園百段階段 漁樵の間 行雲出展作品花材:ドラソナコンシンネ オバケアンス ワタ(ゴシプラム)

 

第43回 日本いけばな芸術展 行雲 出展作品
(平成23年10月12日~17日 日本橋高島屋にて開催)花材:すすき、山帰来(サンキライ)、グロリオーサ

 

平成25年4月 目黒雅叙園百段階段 行雲 出展作品
花材 龍舌蘭(リュウゼツラン)他


教室風景 花をいけている時は真剣です。

 

自然の動植物には同じ形態(相似型)は存在しません。
たとえばタンポポ1つとってみても花のカタチや葉のカタチは微妙に異なります。
自然物に全くの相似型はないのです。

それだけに自然の植物をあつかう生け花という造形作業は奥が深く、面白いものになります。
まず基礎をしっかり習得し、その後造形調の自由な発想の生け花をめざしてほしいと思います。

(財)日本いけばな芸術協会 特別会員  (財)国風華道会理事
行雲いけばな教室  龍前行雲(リュウマエ コウウン)

 

いけばなではそれぞれの季節を先取りする花材が出てきます。
そんな花や枝物をいけていくことで季節の推移に敏感になってゆきます。
道端の小さな花や野に咲く草花、庭の植木にも自然に目が向くようになります。
季節の移ろいを意識するようになるのもいけばなの特長の一つです。
花をいけることはそれぞれの季節を楽しむことでもあります。

[習作]

 

稽古日毎月第1・第3土曜日
時 間14時より
会 費:3,000円(月2回)花代:1,200円(1回)

※初心者で体験レッスンを受けたい方、花器、鋏はこちらでご用意いたします。(花代:1,200円ご持参ください。)
手ぶらでご参加いただけます。
※体験レッスンの方は1週間前までにご連絡ください。

住所
271-0077 千葉県 松戸市根本6-4
<アクセス>


JR松戸駅西口より徒歩4分
新京成線松戸駅西口より徒歩4分

<電話番号>
047-710-6612/090-8172-1489(行雲ケイタイ)
固定電話は(有)クリエイティブイマジンにつながります。「いけばな教室の件」とお伝えください。

<お問い合わせは>
E-Mail
ryumae@beach.ocn.ne.jp

おりおりの通りみち
https://imajin.exblog.jp/

 

 

作品例

生徒さんの作品と私(行雲)の習作を紹介いたします。

いけばなは同じ花材でも10人10色様々な作品になります。

いける人の感性がにじみ出てくるのです。

私(行雲)の指導方針はまず、自由にいけていただきます。

勿論基本は習得していただきますが、カタにはめた指導法はとっておりません。

あくまで、生徒さんの個性を生かせるよう

ご指導させていただいております

 

生徒さんの作品紹介・・・18 2015/5月16日

今回の花材は「ソケイ」と「ガーベラ」でしたが花木の一種いけをすすめました。花材を何種類か用意すると、心情として全部使いたくなるのですが、あえてガーベラを使わずソケイだけでいけていただきました。ソケイは軟らかい枝で枝先の方はタメも少しききますが、あまり強くタメますとポキッと折れてしまいます。

このいけ方は挿々型(ソウソウケイ)に近いいけ方ですが、完全ではありません。そもそも挿々型は国風華道会の海野俊彦家元が考案されたいけ型で、真、添、体を左右から交互にいけていく方法で、花器を2つ対面させて作品を大きく見せるいけ方です。

生徒さんの作品は真を向かって左から奥に向けて挿し、右奥から添を手前に挿し、その添のさらに左に体を添の枝をはさむように挿しいれています。ソケイがボリュームがある花木なので、もうこれで充分なのですが、この挿々型は研究するに値する花型だと思っています。

花器は群馬在住の花人の手づくりの花器です。私は年に一度群馬の研究会に参加するのですが、その時必ず手づくりの花器を譲っていただきます。個性的な花器を創作されるので、毎年お会いできるのを楽しみにしています。

 

フラワードリーム展  2015/4月11日・12日 

4月11日と12日東京ビッグサイトでフラワードリーム展が開催されました。2009年より毎年開催されており、昨年は5万5000人の方がご来場しております。一般社団法人 日本生花通信配達協会(JFTD)主催で花キューピット協同組合/株式会社i879が共催しております。

日本一のフローリストを決定するフラワーデザイン競技会の最高峰「2015ジャパンカップ」をはじめ、フラワーアレンジの数々のコンテストや盆栽、伝統園芸の展示なとが行なわれました。

また、切花・鉢物・苗物・その他花関連商品の展示・販売や、花き関連資材メーカー・商社などが一堂に会する国内最大級のビジネスショーの同時開催、大変盛り上がった2日間になりました。

いけばなの方でも毎年日本いけばな芸術協会の展示も行われいますが、今年は池坊/池坊宝生流/一葉式いけ花/国風華道会/古流松應会/古流松東会/清風瓶華/草月流/未生御流/龍生流の10流派が作品展示をいたしました。

国風華道会は副家元、次期家元、と私の師匠、女性3人の共作を展示。花材は「晒ヒバ、雲竜柳、プロティア、オバケアンス、インディアナ。私もお手伝いに行きました。

  

生徒さんの作品紹介・・・17 2015/3/7

<花材>
●木苺(キイチゴ)
●百合
●スターチス

この方は今年1月国風華道会の「皆伝」という階級になり雅号を取得いたしました。色々な花展に足を運び研究熱心な方です。

ジグザクに伸びた枝の節々から新芽が出たばかりの木苺ですが、葉はやがて鮮やかな緑色になります。枝は先の細い枝はタメられますが、太い枝はタメにくいので、自然の枝ぶりを生かしたいけ方をします。

百合は蕾の方が多いのですが、どの蕾も蕾のまま枯れてしまうことなく必ず咲きます。水切りだけでよく水があがるので花もちも良いほうです。

百合は多くの花材と調和しますが、同じような印象の花材より、今回の木苺のような軽快な枝ものに添えるとお互いを引き立て、それぞれの良さが際立ちます。

ゆりが開くとの雄しべの先に花粉の入っている葯(やく)がついていますが、そのままにしておくと花粉が花びらに付き、よごれてしまったり手や衣服についてしまうとなかなか取れにくいので、私の流派では早めにつまんで取り除きます。流派によってはそのままにしておく流派もあります。

この作品は基本花型でいけていますが、向かって右側の「添」の枝がもう少し短いほうが良かったかなと思います。


 

生徒さんの作品紹介・・・16  2015/2/7

<花材>
●アオモジ
●チュ-リップ

アオモジはクロモジと同様クスノキ科の樹木で枝を折るとレモンのような香りがします。枝にクロモジのような黒斑がなく、緑色の枝をしていることからアオミジと名づけられました。
花材としては冬季の青く丸い花芽を沢山つけた青々とした枝が好んで利用されます。

扱い方としては撓めもわりときくほうですので、好みのカタチに整えていけることができます。投げ入れ、盛花のどちらでもあつかいやすく、多くの花材と調和いたします。水揚げ、もちも良いほうです。

さて今回の作品ですが、男性の作品です。アオモジを大らかに伸び伸びいけています。ただ、中心部がややスカスカなのがおしいところです。この写真ではわかりませんが、斜め横から見ますと奥行きがなく、平面的でした。いけばなは立体造形なので、自分でいけ終わったと思ったら、必ず三方向から見て、奥行きの確認をすることが必要です。

 


生徒さんの作品紹介・・・16  2015/1/31

<花材>
●こでまり
●ガーベラ

こでまりはしなやかな枝なのですが、撓めがあまりきかないので、自然の枝ぶりをいかし伸びやかにいけます。枝の線の美しさを強調するには花や葉を適度に整理します。
水あげはあまりよくないので、水切りした後切り口をたたいてくだき、手早くいけます。盛り花のときや太い枝は切り口を割っていけます。

作者はかなり高齢の男性ですが、いけばなが大好きな方です。普段投げ入れはあまりしない人なのですが、枝が垂れ下がる花材ですので、私が角形花瓶をすすめました。

この作品はこでまりが上手に入っておりますが、中心部が空いているのが気がかりです。中心にもこでまりの白い花やガーベラを配置するともっと良かったかと思います。

しなやかに弧を描いて伸びるこでまりは高さのある花器にいけるとその良さが強調されます。また、こでまりは枝葉と花がついていますので、花器を替えて一種いけにしても充分その良さをいかすことができる花材だと思います。

 

生徒さんの作品紹介・・・15  2015/1/17

<花材>
●土佐水木
●チューリップ
●スターチス

土佐水木はまだつぼみですが、この状態から2週間ぐらいすると開花すると花屋さんが言っていました。淡い黄色の花で下向きに花弁がつらなり、東京ですと3月中旬から下旬にかけて開花いたします。
生徒さんは勉強熱心な方で、私の所で4年目になりますが、私が所属する流派・国風華道会の皆伝申請をされた方です。
花器は生徒さんが自由に選べますが、今回使用した花器はあまり使われない花器で大蛇が口をあけたような珍しい形態の花器です。
土佐水木は硬い木なので、タメがききません。生徒さんはその自然の曲線を花器の形状に合わせるようにいけました。
生徒さんにはいつも「花器をいける」といって花器も花材のうちだということを言っていますが、まさにこの作品はその好例だと思います。

 

習作紹介 2014/12/6

<花材>
●ミューサイラン
●デンファレ
●オーニソガラム

らんは色鮮やかな熱帯産の高級イメージがありましたが、洋らんのデンファレやオンシジウム、シンピジウムなどは身近な花として。花屋さんの店頭に出回るようになりました。
らん系のい花は総じて花もちが良いのですが、デンファレも花もちが良く、水あげも水切りだけで十分です。
今回はニューサーランとの組み合わせなので、ニューサイランを主とし、デンファレは従の扱いでいけてみました。
花器も造形調のいけ方に合う花器を選び、ニューサイランの躍動感を演出させました。
オーニソガラムはゆり科の花ですが、あまり出回らない花です。ワンポイントのアクセントのつもりで2本入れてみましたが、かなり存在感を主張してくれました。

 

生徒さんの作品紹介・・・14  2014/11/15
<花材>

●青もじ
●ストック
●クジャク草

青もじは高級な爪楊枝に使われる黒もじの仲間で、くすのき科の樹木です。早春に葉に先だって淡黄色の花を咲かせますが、花材としては冬季の青く丸い花芽をたくさんつけた枝が好んで使われます。
ストックは園芸品種としてさまざまありますが、切り花用としては八重咲きのものが多いようです。タメはききませんが、直立した茎とボリュームのある花の姿を生かしたり、葉を全てとり除き花と茎を強調したり、花をマッス(かたまり)にして量感や色彩を強調したり、様々な表現が可能です。
この方の作品は青もじを高くいけましたが、ボリューム感がないので、真後ろにいけてある青もじをとり、二つに切って手前にいけたほうが、この花器との相性がよいのではないかと思います。

 

生徒さんの作品紹介・・・13  2014/11/1
<花材>
●ウンリュウ柳
●アンスリウム
●ハラン

ウンリュウ柳はいけばなではよく出てくる花材です。花展などでもよく使われています。くねくねと曲がった枝は柔らかく、自分の思い通りに造形線をつくることができます。
この花材ですと造形調にいける方向ですので、私は見守るだけです。ウンリュウ柳の形状がいいなと思い見ていました。
私が気がついたのは花器の選定です。こういういけ方をするのであれば、花器は筒状の投げ入れ花器で、あまり大きくない花器のほうが良かったのかなと思います。
それは結果論でこの花器ですと、ハランの使い方を工夫すればもっと面白い表現ができたのかなと思いました。2枚あるうち手前の1枚は細く裂いて花器を隠すように表現したら、どうなのかな。
いけばなはカタチの美学です。そこに精神をどのように反映させるか。
奥が深いですね。

 

生徒さんの作品紹介・・・12  2014/10/18
<花材>
●ヒペリカム(ヒペリクム)
●ウモウゲイトウ
●竜胆(リンドウ)

赤い実をつけたヒペリカムは花屋さんでよく見かけますが、いけばなでは葉物(枝物)も良く使われます。今回の花材は紅葉したヒペリカムと花序がやわらかい羽毛状になる黄色のウモウゲイトウ、リンドウと晩秋の花材が揃いました。
この作品をいけた生徒さんはいつも同じ平凡な花器しか使いません。そこで、今回私が「こんな花器でいかがでしょう。」と花器をお渡しいたしました。最初は腕組みをして考え、なかなかいけようとしませんでしたが、「エイ、ヤー」の掛け声をかけて、いけ始めました。
細かな指摘はしませんでしたが、その勢いは充分作品に反映されていると思います。いかばな歴3年ぐらいの方ですが、自分の殻(スタイル)を自分で決めてしまっていたようです。
「花器をいける」ともいいます。花材により様々な花器にチャレンジするのもいいことだと思います。

 

 

 

習作紹介 2014/10/4
<花材>
●こうり柳
●アスター
●クッカバラ

柳は沢山の種類があり、カタチも様々です。細い枝が垂れ下がる、しだれ柳や枝が立ち上がり花穂が連なってつく、ねこやなぎがよく知られていますが、こおり柳も枝が立ち上がるタイプです。タメがききますので、自分で好みのカタチを作りだすことができます。
小菊に似たアスターは近年品種改良により、鮮やかな色と多彩な形を持つ花が一年中出回るようになりました。
クッカバラは深緑色のモンステラに似た小型の葉をしていますが、モンステラより葉の亀裂が複雑です。セロームにもよく似ていますが、あまり多く出回らない花材です。
今回全ての花材の量が少なかったので、2口の清楚な花器に、こうり柳とクッカバラを交差させ、手前のアスターは足元を締めるアクセントとしていけてみました。

 

生徒さんの作品紹介・・・11  2014/9/20

<花材>
●芒(ススキ)
●吾亦紅(ワレモコウ)
●竜胆(リンドウ)
●鶏頭(ケイトウ) 
●麒麟草(キリンソウ)
●蝦夷菊(エゾギク)

今回の花材は6種。秋の「まぜいけ」です。それにしても花の名前を漢字で書くとむづかしいですね。花材の紹介ではいつもひらがな、カタカナで紹介していますが、今回はあえて漢字にしてみました。みな、秋の草花です。

華道ではこのように沢山の花材を一緒にいけるのを「まぜいけ」といっております。花器も竹細工を使ったりしますが、生徒さんの作品は小さめの丸い花器を使用しています。
基本的には「ドサッ」といけるいけ方です。假屋崎省吾先生がTV番組でタレントさんのいけばなを批評する番組がありますが、「才能ナシ」に選ばれた方の批評として「ドサッとバケツに入れただけよ」のいけ方に似ています。

でも、ただドサッといけただけでは「いけばな」とはいえません。野にある草花の元のカタチを思い浮かべ、自然にいけるのが良いと思います。

この作品の生徒さんはいけばな歴4年。年配の男性ですが、かなりきめ細かく、繊細ないけ方をしています。計算された「まぜいけ」です。残念なのはワレモコウを短く切ってしまいました。切らないでもっと長くいけたほうが良かったかなと思います。

一緒にいけていたもう一人の生徒さんに「才能アリ」と評価されました。

 

習作紹介  2014/9/6

<花材>
●石化シダ
●トルコキキョウ
●カスピア



石化シダはためがききますので、まず、丁寧にためていきます。注意しながらためていかないと、ポキンと折れてしまいます。いけばなではこのためる作業が頻繁にあります。習作で花材が与えられたら、枝ものはためがきくかきかないか、まず試してみます。習作時間に制限があれば、制限時間の半分はためる作業についやする。そんな感じです。
今回の石化シダも花屋さんから届いた時は真っ直ぐの直線でした。
いけかたの構想はためる作業をしながら考えます。まず、造形調をイメージし、花器もそれに合う花器を選択しました。
そして、花器の曲線にあわせて、石化シダをいけていきました。ためきれないところはセロテープで固定し丸い曲線にし、見えないようカスピアで隠しました。
造形調のいけばなの時はセロテープやホチキス、ハリガネなどが必要になります。花展ですと水の取り方など見えないように工夫いたします。

 

習作紹介 2014/8/23

<花材>
●ソラナム(赤ナス)
●ハラン(葉蘭)
●りんどう

ソラナムは立真態にしないと赤ナスの重量がけっこう重いので、倒れてしまいます。今回2本をほぼ重なるようにまずいけました。次にハランをソラナムに巻きつけていきました。こういう花材のときは最初から造形調にいけようと決めてしまいます。
造形調ですと自由にいけられますので、楽しいのですが、いけていくにしたがって、わけがわからなくなります。たいていはゴテゴテしたものになります。そこで、整理していくのです。


今回も整理の途中でりんどうを短くしてしまいました。結果的には切らないでもう少し長いほうが良かったかなと思います。


ハランは造形調のいけばなにはかかせない花材です。観葉植物ですが、古くからつかわれてきた花材のひとつです。一種いけで思い切った造形も生み出せます。通常稽古用の花材は3種類出てきますが、ハランの量が多い時にはハランをメインにして、もう1種添えるようないけかたもあると思います。生徒さんの中には「またハランかー」と嫌がる方もいますが、まずハランを好きになること。好きになればおのずといい作品ができあがります。

 

習作紹介 2014/7/19

<花材>
●とさみずき
●ゆり(シェイラ)

とさみずきは土佐(高知県)の蛇紋岩地(じゃもんがんち)に自生する日本の固有種です。春先に黄色い小さな花を咲かせますが、その後みずみずしい葉がでてきます。今の時期はその葉を生かします。葉が多すぎる場合は適度に葉を整理して、枝をだし、爽やかさを出すようにいけます。

ゆり(シェイラ)はこらから夏にかけて最も花もちのいい花のひとつで、強い香りがします。花びらは6枚に見えますが、外側の3枚はがくで、内側の3枚が花びらです。ゆりの雄しべの先に花粉な入っている葯(やく)がついていますが、その花粉が花びらについてしまうと汚れていまいます。手や衣服についてしまうと取れにくいので、こすらずにティッシュペーバーで包むように取ります。流派によってはおしべが華麗さを高めるということで、そのままにしている流派もあります。

今回はとさみずきの枝ぶりの勢いを強調し、ゆりを抑えぎみに低くいけてみました。それでもゆりはその香りとともにかなり強烈に、存在感を主張してくれました。

 

習作紹介 2014/7/5

<花材>
●どうだんつつじ
●りんどう

どうだんつつじは春に爽やかな緑色の葉を繁らせ、秋には燃えるような美しい紅葉になります。四月ごろに葉の下に白い壺状の小さな花をつけますが、花材としては花よりも葉がよく使われます。
小さな葉が密集しているので、マッスにしてボリューム感が出せます。今回は枝の線と葉のマッスを対比させ、いけてみました。
りんどうは秋の花のイメージがありますが、七月初旬から花屋さんに出始めます。
秋の草花とはとてもよく調和しますが、どうだんつつじのような枝ものと取り合わせても趣があります。濃紫色の花は強烈なので、本数が少なくても、色のポイントとして使うことができます。
 

習作紹介 2014/6/14

<花材>
●ひまわり
●がま(葉)
●デルフィニューム(ラークスーパー)


いけばなには面による構成、かたまり(マッス)による構成、そして線による構成があります。その中でも線による構成が一番むづかしいと私は感じています。
線による構成でよく使われる花材が、フトイ、ニューサイラン、ハラン、姫柳などですが、今回の花材はがまの葉です。
細い線ですので、直線的なひまわりと、どう絡ませるかがポイントになります。このような線の構成は二度と同じものはできないので「エイ、ヤー」でいけてみるしかありません。いけているときは夢中になっているので、いけ終わったら写真を撮り、翌日冷静に眺めてみると、色々気付くことがあります。今回もがまの葉をひまわりより高くしたものが一本あればよかったかなと、思いました。でも切ってしまった葉は元には戻せません。日々精進・・・いけばなも。

 

 

生徒さんの作品紹介・・・10  2014/5/17

<花材>
●きそけい
●スカシユリ
●アザミ



そけいは黄色い小さな花をつける「きそけい」が枝もので、同じく黄色の花の「つるそけい」がつるものとして出回ります。
きそけいもつるそけいも軟らかな線の美しさを生かし、盛り花でも投げ入れでも形よくいけることができます。

この生徒さんの作品は当初そけいのボリュームがかなりあったのですが、ちょっとうるさいなと思われた枝を整理しスッキリさせました。
スカシユリも花材として2本用意されていた2本をそのままいけたのですが、2本つかわず、1本だけにしました。
お稽古ですので、アザミもいれましたが、そけいは1種いけでも充分たえられる花材だと思います。
 

習作紹介  2014/4/19

<花材>
●緋桜(ヒザクラ)
●スカシユリ

桜はいろいろな種類があり、さまざまな野生種、園芸種があります。いけばなの花材としては、そめいよしの、やまざくら、ひがんざくら、しだれざくら、やえざくらなどが多くつかわれます。この緋桜は八重で同じ八重のぼたん桜よりひとまわり小さい感じです。いずれにしても桜はパァっと咲いてパァっと散るので日本人の美意識を象徴する春の花といえるでしょう。

今回はスカシユリと組み合わせてみました。まだ開花していませんが、開花した時のことを予想していけてみました。「桃は立真、桜は傾真」といわれています。桃の枝はほぼ直線なので、桃林にあるように自然に生け、桜は桜の枝のように傾けて生けるという先人の教えです。
 

 

習作紹介  2014/4/5

<花材>
●石化シダ(石化エニシダ)
●ポピー

石化シダの箒のような細い枝だけのものを普通エニシダと呼びます。石化シダはシロバナエニシダから日本で作られた園芸品種で、枝の一部が扁平に異常成長し、帯状になっています。いけばなの花材としてはよく出てきます。矯めがききますので、奇形した石化部分をいかに面白く見せるかがポイントになります。

今回はポピーとくみあわせですが、ポピーが踊っているような春らしいウキウキ感を出してみました。カスミ草も用意して入れてみると、洋風のエレガンスな感じにはなりましたが、花器の色あいから考えると不要ということにし、写真のような二種いけで仕上げてみました。

 

 

習作紹介  2014/3/22

<花材>
●丹頂アリウム
●レモンリーフ
●アンスリューム

アリウムはネギの仲間の花です。そういえば、畑のネギボウズにそっくりです。丹頂アリウムは頭の丸い花形が丹頂鶴の頭に似ていることからこの名前がついているそうです。茎はクネクネしていますが、人口的に曲がりが加えられています。まっすぐのものもあるそうです。

茎の線に特徴があるので、線をいかした生け方がいいと思います。
この花材ですと、造形的な生け方ができますので、基本花形を逸脱した自由発想で楽しみながらいけられます。と言っても、バランス感覚は大切にしたいですね。

 

習作紹介  2014/3/1

<花材>
●グラジオラス
●ハラン

我が家の庭にも例年グラジオラスが咲きますが、6月から8月にかけて花が咲きます。花は茎の下の方から咲いていきます。
このグラジオラスは春咲きの系統なのでしょうか?いきなり夏がきたようです。

注意することは、グラジオラスは花が重いので、剣山ごと倒れてしまうことがよくあります。盛花の場合は剣山に重しをして、倒れるのを防ぎます。花器の選定も大切です。

今回はハランをグラジオラスに沿って上に伸びるように、いけてみました。ハランの葉は太いので、半分にしたりして、アクレントをつけてみました。

 

 

生徒さんの作品紹介・・・・・9 2014/2/22

<花材>
●ぼけ
●ストレリチア
●ブルースター

今回は私の所属している国風華道会の家元が直接ご指導いただく研究会での作品です。
東京、神奈川地区の研究会は年に一回大井町で開催されています。今回の作品は男性がいけたものですが、いつも繊細ないけ方をされる方です。

研究会では花材は抽選ですので、何に当たるかわかりません。枝物はぼけ1本で真にしましたが、添と体になる枝がありません。
(1本でも角度によっては、真、添、体ができてしまう枝もありますが、彼の選んだぼけはどう角度を工夫してもなりませんでした。)そこで、今回添と体にストレリチアを使いました。

ストレリチアは和名を極楽鳥花といいます。極楽鳥の頭を連想させる個性の強い花で、切り花として一年中出回っています。花展ではおなじみの花です。

ブルースターは茎や葉の切り口から白い液体がでます。この液が衣服につかないよう注意し、手につくとかぶれ人もいますので、いけ終わったら手をよく洗ったほうがいいと思います。

この生徒さんは初めての研究会参加でしたので、非常に勉強になりましたと感動しておりました。

 

 

習作紹介  2014/2/1

 

<花材>
●ぼけ(木瓜)
●スイセン(水仙)

木瓜は折矯め(オリダメ)がききますので、枝ぶりを自分の好みに整えることができます。ですから、枝ぶりをいかした一種いけでも充分なのですが、今回は水仙をそえてみました。水仙は花の少ない冬、雪の中でも咲くことから雪中花ともよばれています。

我が家の庭には去年の暮れから咲き始め、今でも咲いています。
古くからいけられた花材で流派によっては葉のくみ方(はかまの組かえ)等細かな約束ごとを定めているところもありますが、今回使用した花器では袴(水仙の茎の根元を包んでいる白い部分)が見えないのでそのまま葉組みをしないでいけました。
いつも写真は私(行雲)が撮っているのですが、今回も枝先が切れていました。又アングルが少し高かったようで、そんなちょっとしたことで見た目が相当変わってしまいました。(言い訳っぽいですね)

 

生徒さんの作品紹介・・・・・8 2014/1/18


<花材>
●れんぎょう
●ガーベラ
●ドラセナ


作者は作品紹介①に登場したご70歳半ばの男性です。日本酒をこよなく愛しスケッチの会にも参加しています。「花を生けて、スケッチをし、酒を呑む。今、本当に幸せだよ」といつも言っております。今回もあっという間に生けて「どうでしょうか?」と聞いてきました。
最近は出来上がってからかならず左右に周って見ているので、奥行きは出るようになってきました。

今回の作品は造形というより基本形ですので「真、添、体」のバランスがれんぎょう、ガーベラ共にとれていません。枝物も花も「真、添、体」の長さのバランスを守り生けていくようお伝えしました。

基本を守り(型どうりに生けるということではありません)バランスは個性に委ねる。
そういうバランス感覚(アンバランスを含め)が人それぞれ異なるのが、いけばなの魅力だと思います。
 

 

生徒さんの作品紹介・・・・・7 2014/1/11/・・・2


<花材>
●雪柳
●チューリップ
●スイートピー

この方は約3年のいけばな経験者です。全くいけばなを生けた経験がなく、
ハサミの使い方水切りの仕方から始めた方です。
すじがいいというのでしょうか、どんな花材でも良い生け方をします。
今回は花器を横にして生けて、ご本人は完成させたのですが、私が左脇に周って見ましたら、そちらの角度の方が雪柳のバランスが良く見えましたので、お伝えますと、ご本人も納得し、チュ-リップとスイートピーの配置を変えて出きたのがこの作品です。

自分ではこれで良しと思っても最後に左右に周り確認して見ることは必要です。

 

習作紹介 2014/1/11・・・1

<花材>
●雪柳
●チューリップ
●スイートピー

今年の初いけは春の花材。雪柳は真っ白な雪のような繊細な花を咲かせる春と夏の青葉、秋の紅葉と一年中枝ものとして出回ります。
花の時期にはこぼれるように咲く枝先だけを使うようにします。
枝は硬いのでタメはききませんが、しなやかな曲線をいかして伸びやかにいけてゆきます。
水あげはよくないので、水切りした後切り口を割り剣山に挿します。

チューリップを見ると「チューリップ喜びだけを持っている」という細見綾子の句を思いだします。
このごろまさにそのとうりだなと思います。

スイートピーは清楚な香りがします。まさに春らしい雰囲気が漂ってきます。
優しい花なのでどんな花材とも調和します。
この所かなり寒い日が続いていますが、この習作が飾ってある我が家の玄関は一足先に春がきたようです。

 

習作紹介 2013/12/26

<花材>
●赤目柳
●モンステラ
●スプレーカーネーション

赤目柳は撓(ため)がききますのでしっかり撓て(ため)からいけるようにします。

相対的に柳類は枝が柔らかくしなるので撓(ため)がよくききます。
いけばなで枝物が出てきたらはまず撓(ため)られるかどうか、ためしてみます。撓(ため)かたにも技術があり、

枝をひねるようにして曲げていくとよく撓(たま)ります。

赤目柳は正月生けにもよく利用されます。千両や松などと組み合わせると立派が正月のいけばなになります。

モンステラは一年中出回っている花材です。大きな葉をマッスとしてなるだけその面がよく見えるようにするのがポイントです。

 

習作紹介 2013/11/5

<花材> 
●アロニア
●スカシユリ
●ソリダコ

今回の花材アロニアは非常に珍しい花材で、花屋さんも初めて扱う花材だそうです。
北アメリカ東部の原産、バラ科の落葉低木で実は健康食材として親しまれてきたようです。
今回は真四角のコンポート花器を使用しました。このような四角形の花器は淵を手前にするといけやすく、カタチもとりやすくなります。スカシユリは今回2本なので、1本は手前にたおして茎はみせないようにしました。

一年中家の中に花がある。いいものですよ。あなたもはじめてみてはいかがですか?

 

生徒さんの作品紹介・・・・・6  2013/10/21

<花材> 
●ぼけ(木瓜)
●菊(通称ポンポン菊)

この生徒さんはお兄さんが花の栽培をしておりまして、花の知識はかなりあります。男性ですが、繊細な感性で女性的ないけ方をします。
今回の木瓜は折止めといって「ポキッ」という音がしても表面の樹皮は切れない「ため」が可能な花材です。
直線的な線と。ためる曲線のバランスをいかしていけると自分でも驚くほどの線の妙が楽しめます。

 

習作紹介  2013/10/9

<花材>  
●こおり柳
●キキョウラン(葉)
●バラ

いけばなは花器をいけるともいわれています。つまり、花器と一体化したいけ方が良いとされているのです。
今回使用した花器は以前私のお師匠さんからゆずっていただいた、丸い花器が横並びにくっついた面白いカタチの花器です。
こおり柳は溜め(ため)がきくので心棒強く溜めるのが重要です。あまり考えないで枝先をどんどん溜めていくと、結構おもしろい
カタチが生まれたりします。

 

習作紹介  2013/9/26

<花材> 
●鷹羽薄(たかのはすすき)
●吾亦紅(われもこう)
●りんどう
●けいとう
●小菊

つい先日まで暑いあついと言っていましたが、花屋さんには秋の花材が出揃いました。今回は「秋のまぜいけ」で5種の花材を全て使っていけてみました。
花器を竹篭にすると秋の風情が一層でてくると思います。いけ終わってから吾亦紅を短く切らないでもっともっと長く生けたほうがよかったかな。そのほうがゆったり感がでたかなと思いました。花は切ってしまったら継ぎ足しできません。そこらへんは切る前に注意が必要です。

 

習作紹介  2013/9/13

<花材> 
●エニシダ
●スプレーカーネーション
●クジャクソウ

エニシダはため(曲線にする)がきくので、くねったパイプ状の花器を使いました。花器との一体感は大切で花器をいけるとも言われています。このような花器ですとどうしても造形調のいけばなになります。自由な発想でいけるのも楽しいものです

 

習作紹介  2013/8/23

<花材> 
●ゆり(ソルボンヌ)
●雪柳(葉)

残暑というより猛暑が続くこの夏ですが、ゆりは比較的花もちの良い花材です。
今回はゆりを高くそびえるようにいけ、その周りに雪柳を巻きつかせ、清涼感が出るようにいけてみました。雪柳の葉は密度が高く暑くるしい感じになりますので、なるだけスッキリ見えるよう、余分な葉は取って、いけました。

 

生徒さんの作品・・・・・5 2013/8/7

<花材> 
●アレカヤシ
●ひまわり
●石化柳

この方は石化柳(セッカヤナギ)を主にいけました。いけばなは普通枝ものと呼ばれる花材が主になります。
今回のように主役はどれでもいい花材ですと、いける方の感性で主役をどの花材にするか決めていきます。
普通のお稽古ではだいたい3種類の花材を用意します。でも必ず3種いけなければならないという決まりもありません。花器との調和も考えて2種いけにすることもあります。
 

習作紹介   2013/8/1

<花材> 
●アレカヤシ
●ひまわり
●石化柳

南国情緒あふれるヤシは様々な種類がありますが今回は「アレカヤシ」を使いました。
明るい緑色で葉が長く、全体にやわらかい印象です。その特徴を生かし伸びやかにいけてみました。
葉の表面を見せながら後方が透かし見えるので弓なりの円形にし、葉の一部を切り落とし、カタチの面白さを工夫したつもりです。
このほか、葉の線を交差させたり、マッス状(かたまり)にしたり、葉と葉を編んだりと変化にとんだ見せ方ができます。
ヤシ類は水揚げも、もちも良く一年中出回っています。大作から小品までいろいろな使い方が出来る花材です。

 

習作紹介    2013/7/26

<花材> 
●フトイ
●グロリオーサ

夏は花がもちません。せいぜい一週間。少しでも長持ちさせるには毎日水の交換をします。
花展(いけばなの展覧会)はせいぜい2日か3日。それでも毎朝お客様がご入場する前に会場に入り、水の交換をします。
高島屋や目黒雅叙園での花展の時もそうでした。

「花に水、人に心」です。

今回は私の習作です。
フトイを幾何学的に構成し、直線とそこに生まれる空間美を表現してみました。
この花器も普通ヨコ向きで使用しますが、今回タテ型にして、フトイの線をより強調させてみました。

 

生徒さんの作品紹介・・・・・4 2013/7/16

<花材> 
●ひまわり
●びようやなぎ
●あざみ

びようやなぎは金色の長い雄しべが伸びたあざやかな花をさかせます。
今回はひまわりと合わせますので、枝ぶりの美しい葉だけを使いました。枝はためる(曲げる)こともできますが、しなやかに垂れる自然の枝ぶりを生かします。注意点としては葉裏が見えないよう気をつけます。

今回も男性高齢者の作品です。
この方はいつもダイナミックにいけます。「こんなにいけばなというのは楽しいとは思わなかった。もっと若いうちからいけばなを始めておけばよかった。」と毎回おっしゃっています。

 

生徒さんの作品紹介・・・・・3 2013/6/28

<花材> 
●フトイ
●グロリオーサ 
●ルリ玉アザミ

細いけどフトイといいます。細長いグリーンの茎が真っ直ぐ伸び、夏から秋にかけて茎の先に赤褐色の花を穂状(すいじょう)につけます。
茎の直線を活かしたいけ方や折ったり様々な表現ができます。
他の花材ともよく合いますので、自由にいけられます。
作者は定年退職してお花をはじめて3年になる男性です。
非常に研究熱心な方で、5月に日本橋高島屋で開催された「日本いけばな芸術展」の一次展、二次展、三次展の1,050名 全ての方の展示作品をご覧になりました。

観ることも大切です。

 

生徒さんの作品紹介・・・・・2 2013/6/21



<花材>
●リョーブ
●カンパニュラ
●ソリダスター

リョーブは初夏に小さい白い花が穂状(すいじょう)に咲きますが、
今回の花材はまだ花の咲く前の葉ものです。
若葉の色がとてもきれいで、清々しい感じがします。
枝は柔軟性があり、撓める(ためる:必要に応じて枝を曲げる)ことができます。

作者はかなりご年配の男性ですが、スケッチを長年やっていて平面的なカタチの
とらえかたはすごくお上手です。
ただ、いつもそうなのですが、奥行きを出せないのが、
ちょっと残念なところです。

スケッチもいけばなも造形作業なので、その点では共通点があるのかもしれません。
毎回楽しそうに、いけております。

 

生徒さんの作品紹介・・・・・1 2013/6/14
 

<花材>
●アンスリウム
●丹頂アリウム 
●ナルコユリ

アンスリウムはいけばなの花材に良く使われます。エナメルのような光沢があるハートの部分は苞(ほう)で突き出た棒状のところが花の集まりです。
熱帯原産の花で季節を問わず一年中出回っています。トロピカルなイメージもあるので、花態にとらわれず、造形調の自由な発想でいけたほうが良いと思います。
作者はベテランの方で、造形調のいけばなを得意としています。アンスリウムは苞が平面なので、面の向きをそれぞれ変え、丹頂アリウムは茎の曲線のおもしろさをいかした仕上がりとなっています。

真、添、体の基本を習得したうえで、このようないけ方を楽しんでいます。